近年の精神障害の労災補償状況としては下記グラフのとおりです。業務が原因として労災請求するケースが増えています。令和5年度の請求件数は3,575件で毎年増加傾向にあります。(過労死等の労災補償状況,厚生労働省)
もうひとつのグラフは厚生労働省の労働安全衛生調査によるメンタルヘルス不調を理由として連続1ヶ月以上休業した労働者の割合、及び退職した労働者の割合に関する調査です。本結果は、常用労働者10人以上を雇用する民営事業所のうちから、産業、事業所規模別に無作為抽出した約14,000事業所を対象とした事業所調査に含まれる結果です。
労災補償、休職、退職ともに増加傾向にあり、リスクマネジメントの観点だけでなく、生産性、エンゲージメント向上などの観点からも、どの業種どの規模の企業においてもメンタルヘルス対策が求められてきています。しかしながら、メンタルヘルス対策の推進の際には、
- 個人差が大きい、発生プロセスの把握が困難。
- 個人情報の保護と労働者の意思の尊重。
- 体の健康に比べて、職場配置、異動などの人事労務管理要因の影響を大きく受ける。
- 職場外のプライベートなどの要因の影響、個人の考え方やとらえ方の要因もありうる。
といった点の考慮が必要になってきます。そして、本人、家族、上司や人事などの職場担当者、産業医や保健師などの産業保健スタッフ、主治医など関係者が多くなるため、各人がそれぞれで抱えてしまい、共有されない、しにくい状況に陥りがちです。対応の属人化を防ぐ、負担が一部に過度にかからないためにも体制の構築が重要になってきます。当事務所では、関係者からのヒアリング、ストレスチェック結果から状況を把握し、メンタル不調の発生を予防する、迅速に適切に対応できる体制構築をサポートいたします。